和歌山バイオサイエンス連絡協議会は、和歌山をバイオサイエンスを通して活性化させることを目指して有志により結成された団体です。
果樹王国・和歌山をベースに「フルーツバレー構想」を立ち上げ、平成14年(2002年)に和歌山バイオサイエンス懇話会を設立。翌平成15年(2003年)4月に和歌山バイオサイエンス連絡協議会として発足しました。
その後、有意義なフォーラムを重ね、和歌山県との連携、全国府県への歴訪、さらには農業大国オランダへの視察も実行。和歌山大学への食農総合研究所設置にも関与してきました。またバイオ振興検討会を通じて和歌山県との定期的な情報交換を続けています。
和歌山に元気をとりもどし、人口が増えてほしいという純粋な願いで和歌山の活性にどうすればよいか、選択肢が多いが実行が困難です。いろいろ模索してやはり果樹王国をベースに発展することを考え、多くの方々の意見で「フルーツバレー構想」を立ち上げました。
平成14年に和歌山バイオサイエンス懇話会を設立し、フォーラムを開催し、平成15年4月に和歌山バイオサイエンス連絡協議会を開会しました。その後有意義なフォーラムとして討論し、和歌山県とも会をもち、更に全国府県を歴訪し、農業大国であるオランダにも視察を実行しました。
ホームページをご覧になられ、和歌山の発展のため賛同され、私共と議論し、行動して下さることをお願いします。諸賢の御健勝を祈念します。
和歌山県の活性化を、バイオサイエンス分野の振興により達成するために、大学、研究機関、行政および企業などと多面的に情報収集・研鑽・協議し、これを具現化するための提言を行う。
本会の名称を「和歌山バイオサイエンス連絡協議会」とする。
本会の事務所を和歌山市内に置く。
役員の任期は2年とし、総会時に選任され、再任を妨げない。
事業年度は1月1日〜12月31日とする。
| 協議会役職 | 氏名 | 所属 | 肩書 |
|---|---|---|---|
| 名誉会長 | 伊藤 周平 | 和歌山県内科医会 | 名誉顧問 |
| 相談役 | 石塚 亙 | 和歌山大学 | 名誉教授 |
| 会長 | 三谷 隆彦 | 畿央大学 | 客員教授 |
| 副会長 | 西 博義 | 稲むらの火の館 | 名誉館長 |
| 理事 | 長坂 隆司 | 県議会議員 | — |
| 理事 | 佐々木 茂明 | 農業生産法人 株式会社Citrus | 代表取締役 |
| 監査 | 内藤 博次 | 内藤会計事務所 | 所長 |
| — | 山口 眞範 | 和歌山大学教育学部 | 教授 |
| — | 山本 宏一 | 市議会議員 | — |
| — | 岩橋 徹 | 株式会社いこらジャーナル | 代表取締役 |
| — | 田村 章弘 | 田村造酢株式会社 | 代表取締役 |
| — | 蔵光 俊輔 | 蔵光農園 | 社長 |
| — | 本田 博之 | 株式会社HKNエンジニアリング | 代表取締役 |
| — | 西口 正敏 | 合同会社ニッシンマテリアル | 代表 |
| 事務局 | 平田 行正 | ひらたバイオラボ | 代表 |
2003年より継続開催。専門家による講演と参加者の討論を通じ、農業・生命科学の最前線を和歌山に届けます。第55回まで積み重ねた歴史ある場です。
果樹王国・和歌山の強みを活かした農業振興ビジョン。産学官の連携でバイオサイエンスと農業を融合させた和歌山独自の発展モデルを追求します。
バイオ振興検討会を通じて和歌山県と定期的な情報交換を実施。行政・産業界・研究者が一堂に会し、和歌山のバイオサイエンス振興策について継続的に議論する場です。
和歌山にアカデミックな農業研究拠点を設けるための運動。農業科学教育の充実が地域産業の発展に不可欠と考え、長年にわたり取り組んでいます。
「和歌山にフルーツバレーを」などの特別寄稿を通じて、バイオサイエンスと農業の可能性を広く発信。ウェブサイトでの継続的な情報提供も行っています。
農業大国オランダへの視察を実施するなど、先進事例を学ぶ国際的な活動も展開。全国府県への歴訪も行い、広い視野で和歌山農業の未来を考えます。
| 回数 | 開催日 | テーマ・講師 | 開催場所 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | H14.1.24 | 再生医療、ゲノムと企業(京大名誉教授 筏義人、慶応大 清水信義、阪大 森下竜一) | 和歌山商工会議所 |
| 第2回 | H14.8.2 | 高分子素材を用いての再生医療(グンゼKK 岡高茂) | プラザホープ |
| 第3回 | H14.9.22 | 再生医学がもたらす医療の進歩(京大 筏義人、岩田博夫、中辻憲夫) | 県文大ホール |
| 第4回 | H14.12.5 | ゲノム創薬の現状と今後の方向性(中外製薬研究本部長 山崎達美) | 和歌山市医師会ホール |
| 第5回 | H15.1.25 | ハイレベルの生物工学を使った地域活性化(近畿大先端技術総合研究所長 入谷明) | 和歌山商工会議所 |
| 第6回 | H15.4.23 | 関西におけるバイオ産業の現状(大阪商工会議所 児玉達樹) | エース証券会議室 |
| 第7回 | H15.7.3 | 蜜柑栽培にコンピューターを活かす・みかんの発ガン抑制(和歌山大 内尾文隆、京都府立医大 西野輔翼) | 吉備ドーム |
| 第8回 | H15.8.27 | 井上春也賞を受賞して(和歌山工業技術センター 谷口久次) | 県民文化会館 |
| 第9回 | H15.11.7 | オーストラリアのバイオ産業(オーストラリア総領事 モントゴメリ) | 和歌山大学 |
| 第10回 | H15.12.25 | 産官学の連携をもとめて(和歌山県立医大 板倉徹、古川福美、南條輝志男ほか) | 県立医大 |
| 第11回 | H16.5.12 | カナダにおけるバイオサイエンス(カナダ総領事 デビッド・マクレラン) | 和歌山大学 |
| 第12回 | H16.8.28 | 高分子材料を活用した先端医療技術(京都大学 田端康彦、岩田博夫) | 和歌山市医師会ホール |
| 第13回 | H16.10.16 | 生物機能を利用した物質生産・柿カロテノイドの機能性・糖質栄養素ほか(和歌山高専 米光裕、和歌山大 細谷圭助ほか) | ビッグ愛 |
| 第14回 | H16.12.2 | 英国のバイオサイエンス(イギリス領事 エドワード・ライト) | 和歌山大学 |
| 第15回 | H13.12.11 | バイオマーカー・脳の時計と体の時計(神戸大 岡村均、京都府立医大 古川敏一) | 和歌山市医師会ホール |
| 第16回 | H17.3.12 | 和歌山の特産品でガンの予防をしよう(みながクリニック 見永武芳、京都府立医大 里美佳子、和歌山県立医大 宇都宮洋才) | サンピア |
| 第17回 | H17.7.28 | 野菜と健康(カゴメ 早川善郎)、シームレスカプセル技術のバイオ分野への応用(森下仁丹 浅田雅宣) | ビッグ愛 |
| 第18回 | H18.2.2 | 大学でのバイオの取り組みと地域貢献(富山県立大 浅野泰久) | ビッグ愛 |
| 第19回 | H18.7.1 | 和歌山県のバイオサイエンス事業への取り組み・アグリバイオ研究機関のあり方(県科学技術振興室長 藤本拓司ほか) | ウエルサンピア |
| 第20回 | H18.10.14 | 材料化学からみたアグリバイオと欧米のバイオサイエンス事情(京都大学名誉教授 筏義人) | 和歌山大学 |
| 第21回 | H19.2.24 | バイオサイエンスと地場の文化(近畿大 仁藤伸昌) | 華月殿 |
| 第22回 | H19.10.5 | 日本のバイオ戦略と和歌山県のバイオへの期待(近畿経済産業局 尾澤潤一)、パネルディスカッション | 県民文化会館 |
| 第23回 | H20.2.1 | 食品開発研究最前線・酵素含浸技術(広島県立総合技術研究所 坂本宏司)、健康食品の開発(木村昭雄) | 華月殿 |
| 第24回 | H20.9.12 | 食品加工研究・開発戦略(和歌山県工技センター所長 請川孝治、新潟大 門脇基二) | 華月殿 |
| 第25回 | H21.2.5 | 宮崎県食品開発センターの業務と産学官連携(宮崎県 柚木崎千鶴子)、柿酢と健康(和歌山県立医大 有田幹雄) | 華月殿 |
| 第26回 | H21.9.12 | サントリーの特定保健用食品開発(サントリーウェルネス 平島隆行)、本県の食品加工戦略(和歌山県農産物加工研究所 稲葉伸也) | 華月殿 |
| 第27回 | H22.2.4 | 熊本県における食品分野での産学官の取り組み(熊本製粉 川崎貞道)、植物の多様性(京大 東順一) | 華月殿 |
| 第28回 | H22.9.18 | 和歌山県産農産物を活用した機能性食品開発の可能性(京都府立医大 西野輔翼)、和歌山の果実加工(紀州食品 武井建登) | 華月殿 |
| 第29回 | H23.2.12 | 「食」資源を活用した地域の物語づくり(伊勢田博志)、JA紀南の安全安心への取り組みと食品加工(林行則) | 華月殿 |
| 第30回 | H23.9.17 | 食品機能30年の回顧と未来への展望(京大名誉教授 吉川正明)、早和果樹園6次産業化のあゆみ(秋竹新吾) | 華月殿 |
| 第31回 | H24.2.4 | 梅の健康増進作用(近畿大 三谷隆彦)、柑橘類の遺伝資源(近畿大 仁藤伸昌) | 県立図書館 |
| 第32回 | H24.9.29 | AMIにおける医農連携(京都府立医大学長 吉川敏一)、和歌山県立医大の医工連携(板倉徹) | ビッグ愛 |
| 第33回 | H25.2.2 | 人材育成を通じた高知県食品産業の振興(高知大 受田浩之)、北海道の取り組み(今西昌志) | ビッグ愛 |
| 第34回 | H25.9.26 | アディポネクチンと各種病態との関連(阪大 舟橋徹)、伊都地域での果樹加工品商品企画(今井学士) | ビッグ愛 |
| 第35回 | H26.5.17 | 梅酢ポリフェノールで見出された抗ウイルス作用(和歌山信愛 小山一)、トウガラシのゲノム育種(和歌山大 南山泰宏) | ビッグ愛 |
| 第36回 | H26.11.29 | 機能性食品の地域連携開発(吉備国際大 金沢和樹)、高機能ウメ品種「露茜」の研究開発(和歌山県果樹試験場 竹中正好) | ビッグ愛 |
| 第37回 | H27.2.14 | 雑草から学ぶ高効率光合成の鍵(龍谷大 古本強)、和歌山のかき・もも栽培と試験研究(熊本昌平、堀田宗幹) | 和歌山県書道資料館 |
| 第38回 | H27.9.19 | 農水の試験研究概要(NPO近畿アグリハイテク 北村實彬)、アグリビジネス教育(和歌山大 足立基浩) | ビッグ愛 |
| 第39回 | H28.2.6 | フルーツバレーを実現するには〜オランダのオープンイノベーション(TNO 西出香)、和歌山大の食農への取り組み(石塚亙) | ビッグ愛 |
| 第40回 | H28.10.1 | 農業におけるイノベーション(福知山公立大 平野真)、オランダの農業大学発の食品産業戦略(長坂隆司) | ビッグ愛 |
| 第41回 | H29.1.28 | 農産物の加工技術開発のすすめ方(鹿児島県大隅加工技術研究センター 岩元睦夫)、梅酢ポリフェノールの抗ウイルス作用(小山一) | 華月殿 |
| 第42回 | H29.10.21 | 北海道における「フード特区」及び「ヘルシーDo」の取り組み(北海道 臼杵誠)、奈良県における柿の応用研究(浜崎貞弘) | 華月殿 |
| 第43回 | H30.2.17 | 和歌山県産ブドウ山椒の現状と今後(山本勝之助商店 土田高史)、糖鎖合成と幅広い応用(和歌山大 山口真範) | ビッグ愛 |
| 第44回 | H30.9.22 | 和歌山県産果実の生活習慣病予防効果(近畿大 永井宏平)、地域資源「梅」の新たな連携(田辺市 廣畑賢一) | ビッグ愛 |
| 第45回 | H31.2.9 | もも果実の軟化機構と分子育種(近畿大 石丸恵)、オランダにおける青果物の長期貯蔵技術開発(北村祐人) | 県民文化会館 |
| 第46回 | R1.9.14 | オランダ施設園芸の経営事例と農業の人材育成(和歌山県農林大学校 林寛子)、福島大学の食農学類創設(荒井聡) | ビッグ愛 |
| 第47回 | R2.2.8 | 山椒の機能性研究とその応用(和歌山大 山本奈美)、梅酢由来フェノール化合物の抗ウイルス作用(和歌山県立医大 池田敬子) | 華月殿 |
| 第48回 | R3.7.2 | 組織培養苗の特徴と今後の展開(ひらたバイオラボ 平田行正)、新規就農者人材育成の現状と課題(Citrus 佐々木茂明) | WEB版 |
| 第49回 | R3.10.16 | シンポジウム「和歌山県の農業の現状と課題」(和歌山大 岸上光克、県農林水産部 西森裕夫、南果樹園 南秀和) | 華月殿 |
| 第50回 | R4.6.18 | 和歌山県に縁ある植物から薬の種を探す(和歌山県立医大薬学部 田村理)、薬学部の概要と地域連携(太田茂) | ビッグ愛 |
| 第51回 | R5.5.27 | 農林水産分野における和歌山県と花王の共創(花王 峯浩二)、食品成分と腸内細菌叢(近大 栗原新) | ビッグ愛 |
| 第52回 | R5.10.7 | シンポジウム「和歌山の農業の未来を考える」(久壽成人、厚地恵太、米田基人、紀の川市農業振興課 村田宗紀) | ビッグ愛 |
| 第53回 | R6.3.16 | 和歌山の農産物で未来を拓く(和歌山バイオサイエンス連絡協議会会長 三谷隆彦) | ビッグ愛 |
| 第54回 | R6.9.28 | 和歌山の農業をもっと元気に(NPO近畿アグリハイテク 北村實彬) | ビッグ愛 |
| 第55回 | R8.4.4 | 和歌山の農業の未来を考える(藏光農園 藏光俊輔、FROM FARM 大谷幸司) | ビッグ愛 |
伊藤周平ら(2018).和歌山にフルーツバレーを 21世紀わかやま, 88, 8-12. 和歌山社会経済研究所
大阪で診療、教育そして研究の生活を送っていた大学病院での仕事を辞し、故郷和歌山市で地域医療に専念することになったのは、昭和44年末であった。日常診療に忙しく明け暮れているうちに、和歌山でのヒトの流れ、町なかの活気に何か淋しさを感じ始めた。時にふれ、旧制和歌山中学の同窓と集まって、このことについて話し合ったものの、話がまとまらず、今後に対する良策が見つからない。しかし時が経つにつれ各界の有力な人々が集まり、和歌山の活性化のため勉強会をもとうということになり、ようやく平成14年に「和歌山バイオサイエンス懇話会」が発足した。そのうち県内外の有識者の意見により、再生医療から農林面にシフトして、平成15年4月「和歌山バイオサイエンス連絡協議会」として再編成した。
和歌山県は温暖な気候・風土と関西地区の大消費地に近いという地の利を活かし、農林水産県として順調な発展をしてきた。全国生産高一、二位を誇る梅、蜜柑、柿、桃などに代表される果実産業はまさに質量ともに日本一の地位にある。当協議会は、高品質で機能性を兼ね備えた加工食品開発により活路を開くことが重要と考え、公的研究機関の強化充実を県と協力して推進することとした。
年2回開催を定例とし、第1回から第6回までは再生医療・ゲノム分野の講演が行われた。第7回は吉備ドーム文化ホールで「バイオサイエンスinきび」を開催し、本県のアグリバイオ活動の重要性が認識され、医農連携分野へ活動方針を転換した。第27回まで加工食品開発先進県の産学連携のあり方を紹介し、第28回以降は食品の機能性研究と食品開発の現状に重点をおき活動を継続。第39回以降はオランダのフードバレーや先進事例を紹介し、「フルーツバレー構想」の実現を加速させてきた。
平成19年9月から、広義のアグリバイオ分野の振興による県の活性化を期して、県内のバイオサイエンス関係団体(県、和歌山社会経済研究所など)と当会が年2回協議し、具体案を話し合っている。
他都道府県の産学官連携の調査のため、当会の役員は各地を視察した。農業系加工食品センターを独自にもち、特に行政・大学・企業に盛大な主導性があり、行政と大学が協力している所は発展性と速度性をもっていた。
県は果物の加工・素材研究・技術開発などの二次産業がほとんどなく、機能性研究や健康福祉との関連など三次産業に必要な情報・データの蓄積も遅れている。県の生き残りは果物を中心とした一次・二次・三次産業のクラスター地域を産学官で構築することが必要で、当会は「フルーツバレー構想」として県の産業振興策を提言し、継続することに努力している。モデルケースはオランダに構築されたワーヘニンゲンUR(WUR)を核とした「フードバレー」とした。
九州と同じ面積のオランダは世界第2位の農産物輸出国である。「フードバレー」はオランダ中央部に構築した食の科学とビジネスに関する一大集積拠点で、WURを核に1500を超える食品関連企業が集積する。当会は平成28年3月にミッションを派遣し実地調査を行った。WURは学生院生8000人・教職員6000人の巨大組織で、農業部門の大学世界ランク1位。オランダもかつてEU拡大による安価な農産物流入の危機を迎えたが、政府の戦略的転換で施設園芸と食品加工に大きくシフトし、現在の姿を築いた。本県でも梅産業が全国モデルとなる一方、山椒など苦戦する農産物もあり、戦略的思考が求められる。
当会は産学官に働きかけ、以下の拠点整備を実現してきた。
全国一、二位の生産を誇る果実は和歌山県にとり県勢を充実・活性化のための貴重な財産である。「フルーツバレー構想」を提言し、その核である研究拠点を確立して、行政が長中期の食品産業政策を速やかに立案し、産学官民が連携して一つの県民運動として実現していく必要がある。これが雇用を生み、人口増加に転じ、農学面の研究者が集い、和歌山県の観光と有機的に結びつけ、県勢を再興することを目指す。
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